「Barcelona and Modernity」展示ジュエリー
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2008年10月13日
スペインのバゲス・マリエラ社(Bagués Masriera)は国際的な高級ジュエリー業界において確固たる地位を確立しています。個性的な手法のエナメル細工、ならびに多才な金細工職人でありモダニズムの画家でもあったルイス・マリエラ(Lluís Masriera)が残した豊かな不朽の遺産は、この会社が手がけるコレクションにおいてジュエリーとアートの境界線を引くのが不可能であることを物語っています。
日本やアメリカを主力マーケットとする同社は、現在「ホテル・バゲス・マリエラ(Hotel Bagués Masriera)」の創業や、ロシアや中東などの他の有力マーケットへの進出など、新たなチャレンジを目の前にしています。私たちは創業家オリベラス‐バゲス家(Oliveras-Bagués)の一員であるオリオル・オリベラス氏(Oriol Oliveras)にインタビューしました。
バゲスとマリエラといえば、バルセロナで最高級のジュエリーと金属細工の伝統を連想させる姓ですね。どのようにしてこのふたつのブランドは提携したのですか?
マリエラ社は1839年創業です。世紀の変わり目にモダニズム運動が大きく広がったのと時を同じくして、1900年ごろから、ジュエリーの世界に多大な貢献をしてきました。画家であり、劇作家であり、舞台デザイナーでもあった金細工職人のルイス・マリエラ・イ・ロセス(Lluís Masriera i Roses's 1872~1958)によるアール・ヌーボーの作品がジュエリーの世界に革命を起こしたのはちょうどその頃です。バゲス社はバルセロナを拠点とする家族経営の会社でジュエリーの製作に尽力していました。創業は1917年です。両ブランドのコラボレーションは1960年代に盛んになってはいたのですが、1985年にこの両社は合併し、両ブランドの共同経営が始まりました。
バゲスとマリエラの違いは何ですか?マリエラは、国際的にはアール・ヌーボーとして知られるモダニズムジュエリーの象徴です。そしてルイス・マリエラの遺産に基づいて、大変はっきりした特徴のあるスタイルを持っています。バゲスは、ジュエリーの世界に革新をもたらそうとする、きわめて現代的なコレクションが特徴です。ファッションと創造性のコンセプトを融合する周りの環境―この場合はバルセロナと地中海を指します―に敏感なブランドです。
今でも同族会社なのですか?現在はバゲス家がバゲス・マリエラ社を所有しています。マリエラ家の者は現在会社にはおりません。この両社の融合を実現させた理由のひとつは、マリエラの歴史的遺産を復活させ、世間に知ってもらうためでした。
「マリエラの遺産が国際的な美術館のコレクションの一部を成すようにすることが、私たちの目標です」
マリエラの遺産の復活に伴ってもたらされているものは何ですか?
彼が成し遂げたものが、ニューヨークのメトロポリタン美術館などの国際的な美術館のコレクションの一部を成すようにすることを、私たちは目指しています。メトロポリタン美術館はちょうど今年、モダニズム時代のオリジナルの作品を入手しています。歴史的コレクションの中には、4000点もの図面、流し型、抜き型、そしてマリエラが手がけたジュエリーがあります。私たちはこれらを再評価し、それらの価値を確実に周知させ、バルセロナで今でも製作が続いているそのような伝統的ジュエリーの復刻モデルをマーケットに投入することに尽力します。
マリエラが創造するものにおいて、アートとジュエリー製作の境界線はどこにあるのでしょうか?
そのような区別をするのは不可能です。アートとジュエリーは彼の作品の中で完全に融合していますから。マリエラは、ジュエリーを『ジュエリーアート』であるとする考え方を支える原動力となっています。そしてその事実によって、はっきりと特徴付けられているのです。
現在でもすべて手作りですか?
マリエラでは、モダニズムの時代に採用されていた技法と同じ技法を今でも用いています。これらのジュエリーにはエナメル細工が含まれていますが、エナメル細工は、熟練の職人による作業だけでなく、色使いにおける芸術的感性も必要とする、完全に伝統的なプロセスによって生まれるものです。これが『ジュエリーアート』と呼ばれる所以です。